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『ザ・ファイブ』のキム・ソナ「復讐が果たして痛快なのだろうか?」
女優キム・ソナが変わった。愛らしい微笑で老若男女の視聴者を微笑ませていた彼女が、胸に溢れんばかりの怒りを抱き徹底した復讐を誓う女として戻ってきた。5人が集まれば完成される復讐を描いた映画『ザ・ファイブ』で、キム・ソナは殺人魔から無残に踏みにじられ家族さえも失ったウナに扮した。ウナは体が不自由な自分に代わって復讐を敢行してくれる人物を探し、作戦を実行する。

映画の公開を迎え会見したキム・ソナは、相次ぐ映画プロモーション日程で疲れているにもかかわらず、まん丸な瞳でエネルギーを輝かせた。いつもより楽しかったという撮影現場を思い浮かべながら、いつだったか彼女が演じたロマンチックコメディドラマの中の主人公のように明るく笑って見せたりもした。あちこちほっつき歩くのは不得手で、余暇時間は主に家にいたという彼女だが、撮影など映画関連のスケジュールだけは彼女にとって活力となる。

「撮影中は他のシナリオを読むことが出来ません。そのシナリオがとても面白かったらすぐにまた仕事をしたくなるんです。『ザ・ファイブ』の現場はとても良かったです。アクションシーンが多かったんですが、実際の私は本当に怖がりなんです。ホラー映画を見たら横の人が皆驚くぐらい声を上げたりするんです。それなのに車椅子に乗って階段から転げ落ちる演技までしたんですから。死ぬかと思いました」

キム・ソナは『ザ・ファイブ』を「人々の人生をスリラーで描いた映画」だと説明した。続けて「私達が万一そんな状況に置かれたとしたら、家族が自分の目を見ながら死んでいくシーンを見たとしたら、それほど残忍な経験があるだろうか?」と問い返した。アフレコをしながら劇中の人物の感情がこみ上げてきて大変だったという彼女は「泣いたらいけないのに、涙がぽろぽろこぼれて、頭がぐるぐる回って変になりそうだった」とし「実際私が撮ったシーンだったが、もう二度と思い出したくない」と告白した。

「私がその人物だったとしたら、自分の目で全てを見た後に復讐が出来るか考えました。何にも出来なさそうだという感じでした。それで非常に悩みました。果たして復讐なんて痛快なものなのでしょうか?正当な復讐というものがあるのでしょうか?正直そんなものがあるのか分かりませんでした。人が考えることだけが復讐じゃないと思いました。爽快な復讐というものが存在するかについての疑問です。ひどい目にあわせたからといって、常に胸がすくわけではないと思うんです。ウナは「ジェウクがなぜ私達をこんな風にしたのだろうか?」が疑問に思っていたことで、そんな風に始まった感情が高低を描きます。皆自分だけの言えない事情があって、私達は皆いつかは一瞬で崩れる時があるじゃないですか」

劇中、彼女は有名な人形彫刻家の裏に殺人魔の顔を隠したジェウク(オン・ジュワン)に対し、復讐の矛先を向ける。映画には体が不自由なウナがジェウクの無慈悲さに手をこまねくシーンもある。キム・ソナが言及したまさにそのシーン、追慕公園の高い高い階段から車椅子に乗ったままウナが転げ落ちるシーンだ。

彼女は「前もって演じたスタント俳優が「大丈夫だ」って言うので、本当にそうだと思っていたのに、全然大丈夫じゃなかった」とし「『潜伏勤務』の時、オートバイに乗りながらも怖くて声を上げたほどの怖がりだ。転げ落ちるシーン中の悲鳴は、実際に私が上げた悲鳴」と振り返った。

大変なアクション撮影は、彼女に肩の負傷を抱かせもした。負傷の余波でキム・ソナは今でも食事の時に箸やスプーンさえ楽に持てない状態だ。危険な負担を知っていながらも『ザ・ファイブ』を選んだ理由を問うと、彼女は「苦労することを考えたら、たぶん何も出来なかったと思う」と淡々と答えた。
「次からはおとなしくしている役をしなきゃいけなさそうですね(笑)。今までやたら飛び回ったり逆境を乗り越えるような役をたくさんしてきたので、一つのドラマが終わると何年かを生きた感じがしました。だからすごくエネルギーが入りましたし。アクションだけでなく劇中のウナの感情でも胸がとても痛かったです。『ザ・ファイブ』のシナリオを見ながら「胸が痛い。ウナ、どうするの?」って思ったんです。それじゃあ「やろう」ってことで。最初は思わなかったんですが、後になって「これも体が大変そうだな」って思いました」

キム・ソナは「ケガをして周りの人に申し訳ない気持ちになった」とし「演技する時、自分でも腹が立ったりした」と告白した。カバン一つちゃんと持てず、周囲の人の助けを借りなければならないということ。彼女は「髪を洗ってシャワーを浴びるのにも、普通の二倍は時間がかかった」とし「一回ケガをしたら悪循環が続くようだ」と振り返った。

しかしキム・ソナにとって映画とは、依然として胸のはやりを与えてくれる作業だ。彼女は「映画試写の時も緊張してずっと水を飲んだりしていた」とし「恋愛する時に感じる気分とは微妙に違うが、そんな感情があった」と笑いながら話した。「映画もドラマも、結果の良し悪しを別にしてそのような席にいるということがいいです。クランクインする時は緊張のせいで眠れずに行ったりもしました。こんな感じが長く続いたらと思います。そんな気分が以前よりは少なくなったような気もしますが、私なりに純粋だった部分は最初の頃のように持っていけたらいいなという気持ちです。そうすればずっと一生懸命頑張れそうです」

『ザ・ファイブ』は同名のウェブトゥーンを原作とし、このウェブトゥーンのチョン・ヨンシク作家が映画を演出した。キム・ソナは今回の映画で演技人生初のスリラー演技を披露する。キム・ソナ、オン・ジュワン、マ・ドンソク、チョン・インギ、イ・チョンア、パク・ヒョジュが出演する。14日に公開され上映中。