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『相続者』のカン・ハヌル、この俳優を知らないと後悔します
ソフトな笑い目の中に頑固なまでに粘り強い力がうかがわれる。少しずつ静かに続ける話の中には、その年齢らしからぬ成熟した演技観がにじみ出ている。

話を交わしているうちに、この90年生まれの若い青年俳優の中には一体何が入っているのだろうかと気になってきた。この男の中にはこの世を全て生きてきたようなおじいさんの姿も、子供時代は近所のガキ大将として町を縫って歩いていたようないたずらっ子の姿も、融通性なんて見つけることも出来ない模範生の姿も、女をかなり泣かせてきたようなオム・ファタールの姿もある。その内お茶の間劇場はもちろん、スクリーンまできっと丸呑みにするであろうこの男の名前はカン・ハヌル。

◆「片思いばかりして寂しいかって?むしろ僕の気持ちに共感できませんか?」

カン・ハヌルは2013年、誰よりも忙しい一年を過ごした。1年中制服だけを着ていたと言っても過言ではないほど数多くの学生役を演じた。それも背が高くハンサムな上に、勉強までよく出来る模範生の学生会長キャラクターばかり演じた。『花ざかりの君たちへ』の走り高跳び選手ミン・ヒョンジェ、『モンスター』の完璧男チョン・ソヌ、『相続者』のイ・ヒョシンまで、お茶の間劇場の中のカン・ハヌルは常に輝く青春だった。

相次ぐ10代の学生会長キャラクターにうんざりしないかという質問に、カン・ハヌルは「老け顔が最も大きな理由のようだ」と高笑いした。「僕も悩みました。老け顔が最も大きな理由のようなんですが(笑)。言葉をゆっくり話す癖も影響したようです。制服を脱ぎたいと思ったことはありません。今じゃなければいつ着ますか?僕がもうちょっと歳を取ったら着たくても着られなくなるでしょう。着せてくれる時にたくさん着ようって思っています(笑)。制服ばかり着ていたので高校生のイメージが固まるのではと周りからは心配されますが、そんなイメージを上手く調整するのが俳優の力量だと思います。イメージが固まるのではという心配は全くしていません。僕が上手くやらなければと思っています」

劇中でカン・ハヌルが演じたイ・ヒョシンは、帝国高校の学生会長。長官職を経た祖父、大統領秘書室長を務めた伯父、現職検察総長の父としっかりした家門の息子だが、本人の夢はというと映画監督になることだった。家族が皆卒業した京畿高校の代わりに帝国高校を選んだことさえ人生の汚点になるという息詰まる家の雰囲気の中で、イ・ヒョシンにとって出口となってくれるのは家庭教師のチョン・ヒョンジュ(イム・ジュウン)だった。

しかしチョン・ヒョンジュは最後までイ・ヒョシンに振り向かなかった。『相続者』だけでなく、前作『モンスター』でもカン・ハヌルは常に後で見ているだけの胸の痛い恋の主人公だった。いくら演技とはいえ、最後が明らかに決められているヒマワリのような恋だけをするのも胸が痛いだろう。

「出来る役になればいいですよ。でもカン・ハヌルという人は1の座にいたことがありません。いつも2の座で1を熱望しながら追っている役でした。1の座を守ったことがないんです。だから実際に共感するのも片思いなんです。人って綺麗で幸せな記憶より痛い感情を長く記憶するものなんです。視聴者と痛い感情を一緒に分け合えるっていうことがいいんです」
◆「主観のある賢い俳優になりたいです」

二人とも片思いだったが『モンスター』のソヌは自分の感情を表現出来ず、『相続者』のイ・ヒョシンは非常に自分の感情に正直なキャラクターだった。実際のカン・ハヌルは一体どちらに近いのだろうか。カン・ハヌルは「ヒョシンの方に近い」とし「元々隠したり遠まわしに話したりすることがあまり出来ない性格だ」と話した。

カン・ハヌルの理想のタイプは、関心事が似ていて互いに言葉が通じる人だという。ビートルズのジョン・レノンがオノ・ヨーコについて「私と芸術的温度が合う人はいなかった。私は常に芸術家の女性と恋に落ちることを夢見てきた。私と芸術的上昇を共有出来る女性ってことだ。ヨーコがまさにそんな女性だった」と言った言葉が感銘深かったというカン・ハヌルは、自分と似ている所が多く、互いに似たような趣向で話を長く交わすことの出来る女性と出会いたいという。

2013年に様々な作品で注目を浴び、次第に自分だけの演技領域を構築しているカン・ハヌルは、2014年さらに高い飛躍を準備中だ。しかし常に考えることは「毎日もっと謙遜しよう」そして「演技において怠惰になるまい」という誓いだ。

「2013年の初日に、様々な事が起きるだろうけど自分の主観がブレなければいいなって思ったんです。12月になって考えてみると、ちゃんと守れたように思います。2014年も自分にどんな事が起きたとしても自分のはっきりした主観がブレなければいいなって思います。今年は僕にとってあまりにも幸せな一年でしたが、もちろんその幸せのせいで失ったものも確実にあります。毎日反芻することの一つが「2倍有名になれば6倍謙遜しても非難が注がれる」という言葉です。また演技をする時に易しい道に行こうとするまいということです。今年一年あまりに前ばかり見て過ごしたという気もします。もっとたくさん周りの人たちに気遣おうとしています。来年はもっとしっかりとして賢くなる一年にしたいです」

機会があれば、来年はまたミュージカル舞台にも挑戦したいという。様々な作品、様々なキャラクターで演技を披露したいというこのしっかりした青年カン・ハヌル。この俳優の名前を記憶出来なければ2014年は本当に後悔するかもしれない。